チューニングと修理
現在『三和ミニ1000チューニング』は、非常に安定したトルクと馬力を得ており、SUツインキャブ1”1/4で1300ccのミニNクラスより確実に速く、サーキットでも公道でも全く問題ありません。ツクバサーキットを1分17秒フラットで周り、16秒台は時間の問題です。これに近いスペックの別車両ミニ1000も17秒5位ですから、ミニ1000のチューニングではこれ位と考えて下さい。
そして、このスペックのエンジンを、ご自分のミニ1000で10万kmオーバーを走行した車にエンジン修理、改良とチューニングをすると、いったいどの位の全額になるのかを解り易く説明致します。
まず、チューニングする場合の部品代金から
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品名 |
備考 |
金額 |
数量 |
1 |
チューニングヘッド |
STⅡ〜Ⅲ |
22万〜24万 |
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2 |
ケントカムMD266〜276 |
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\25,000 |
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3 |
ローラーチップロッカー |
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\98,500 |
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4 |
フラットトップピストン |
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\100,000 |
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5 |
SU 1”1/4ツインキャブ |
(中古) |
\5,000 |
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6 |
LCB(タコ足) |
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\25,000 |
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7 |
Wタイミングチェーン |
(アジャスタブル) |
\18,000 |
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8 |
ガスケットキット |
(上中下) |
\20,000 |
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9 |
オイルポンプ |
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\6,800 |
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10 |
オイルクーラー一式 |
13段 235mm |
\15,000 |
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11 |
メタル |
クランク |
\8,000 |
|
コンロッド |
\8,000 |
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12 |
クラッチ4点 |
カバー |
\8,200 |
|
プレート |
\5,000 |
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ベアリング |
\4,050 |
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プランジャーシャフト |
\11,000 |
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13 |
ミッションパーツ |
シンクロリング |
\4,370 |
×4 |
14 |
3.9ファイナル |
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\105,000 |
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15 |
クロスピンデフ |
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\58,600 |
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16 |
センターオイルピックアップ |
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\9,000 |
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17 |
センターメインストラップ |
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\3,200 |
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合計 |
\770,830 |
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そして、これらのエンジンを組み立てるのに必要な工賃は、
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項目 |
金額 |
1 |
エンジン脱着 |
\60,000 |
2 |
分解組立て |
\80,000 |
3 |
エンジン加工(ボーリング、クランク、コンロッド研磨) |
\60,000 |
4 |
ダイナミックバランス(プーリ、クランク、フライホイル) |
\12,000 |
5 |
キャブO/H(部品代を含む) |
\10,000 |
6 |
ミッション、デフO/H |
\40,000 |
7 |
その他(調整及び加工) |
\30,000 |
合計 |
\292,000 |
ミニ1000を単純にエンジンオーバーホールするだけでもまず、
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品名 |
備考 |
金額 |
数量 |
1 |
ピストン |
(ディッシュ純正) |
\26,600 |
×4 |
2 |
メタル |
クランク |
\8,000 |
|
コンロッド |
\8,000 |
|
スラスト |
\3,000 |
|
3 |
オイルポンプ |
|
\17,000 |
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4 |
バルブ |
IN |
\5,100 |
×4 |
EX |
\5,600 |
×4 |
バルブガイド |
|
\1,500 |
×8 |
ステムシール |
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\700 |
×8 |
5 |
ロッカーアーム |
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\5,200 |
×4 |
ロッカーシャフト |
|
\33,500 |
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6 |
タペット |
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\4,100 |
×8 |
プッシュロッド |
|
\900 |
×8 |
7 |
STDカム |
|
\20,300 |
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8 |
シングルカムチェーン |
|
\3,000 |
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9 |
ガスケット |
ヘッド |
\6,000 |
|
ブロック |
\8,500 |
|
ギアボックス |
\6,000 |
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10 |
シンクロリング |
|
\4,370 |
×4 |
11 |
M/Tベアリング |
パイロットB/g |
\4,800 |
|
1stギアニードルB/g |
\3,000 |
|
1stモーションB/g |
\4,320 |
|
2nd/3rdギアニードルB/g |
\3,000 |
×2 |
3rdモーションB/g |
\15,800 |
|
カウンターシャフトニードルB/g |
\3,000 |
×2 |
アイドラギアB/g |
\5,880 |
|
1stモーションシャフトB/g |
\3,280 |
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12 |
デフピン |
|
\10,000 |
|
ブロンズスラスト |
|
\600 |
×2 |
ファイバースラスト |
|
\500 |
×2 |
13 |
クラッチ4点 |
カバー |
\8,200 |
|
プレート |
\5,000 |
|
ベアリング |
\4,050 |
|
プランジャーシャフト |
\11,000 |
|
合計 |
\447,910 |
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上記の工賃は約25〜30万円位でしょう。多分、ヘッドの面研、ボーリング、クランク研磨、メタル合わせなどを行います。部品代約45万円に工賃が加わるのでミニ1000エンジンを再生させるだけで約70〜80万円となります。
部品の価格は、平均的な価格を表示してありますが、低価格の商品も多数出回っており、もっと安価に入手する事も可能かと思います。ここでは一応、日本全国どこでも買い易い商品を考えております。
そして、多くのミニ専門ショップは独自に開発されたチューニングパーツも持っており、それぞれにノウハウも異なりますが、基本的にはバランスの取れたチューニングエンジンは、いつでも、どこでもエンジンの調子が変化せず耐久性が求められる訳で、エンジンパーツのチョイスはそれほど多くは無いと言えます。価格的にも大差ありません。
また、工賃に対しては時間工賃(レイバーレート)がエンジンのオーバーホールとチューニングが同時進行の為、若干安めに設定されております。
例えば、ギアボックス修理だけの為に、①エンジン脱着をするならば②分解組立ては80,000円では出来ません。多分120,000円位になるでしょう。④ダイナミックバランスは通常の部品持ち込みであれば30,000円位です。これは全ての自動車修理について言えますが、エンジンのオーバーホールをすると言う事は、かなり高額な修理となってしまいます。そして⑥ミッションとデフのオーバーホールも40,000円では出来ません。多分80,000円位でしょう。
この様に別々に行う修理と、1回で全てを行う修理とでは、工賃にかなりの幅が出来ますのでご注意下さい。
ボロボロのミニ1000に高額なエンジンチューニング代を支払って、そんなに速くなる訳が無いとお考えのあなたは、2006年11月14日(火)AM8:00にツクバサーキットへお越し下さい。1分17秒台で周回するミニ1000チューニングを目の前にすれば75馬力+ドライバーそれぞれの性能もご納得頂ける事でしょう。
ミニ以外のヨーロッパ車にお乗りの方もどうぞお出かけ下さい。大馬力を75馬力がコーナーで追い詰めるシーンは本当のミニ1000チューニングの速さと安定性が実感出来るでしょう。
以前にも書きましたが、論理的な証明は出来ませんが【走る】事で体感されれば、それで充分と思いますが如何でしょうか?
1300ccのエンジンの方がチューニングしたら絶対に1000ccより“速くなるハズ”と信じている方も多いかと思いますが、街乗りを前提としたチューニングミニを製作するとなると、絶対1300ccが有利かと言うほど差が出ない事を次回はご説明致します。 |