難解なサスペンションの話に入る前に世の中の不思議なウワサを書いてみました。
A シャコタンは低いほど見た目がカッコ良い。(と信じられている)
B フェンダーの縁とタイヤ上部の隙間は無い方がカッコ良く見える。(と思っている)
C タイヤは太い程パワーのある車に思われる。(見られる)
D フロントタイヤの八の字は、思い切り付いている方がヤルキグルマに見られる。(よく解からないけど)
E タイヤは扁平率が低い程、高性能な車の証。(値段が高いから)
F ホイルスペーサーは分厚いほど、良いはず。(外にタイヤが張り出せば、踏ん張れるはず)
G 古くて硬いラバコンの方が、コーナーリングは良いはずだ。(ハードスプリング仕様のつもり)
H ショックはなるべく硬い方がコーナー途中で有利だ。(車体がロールしないから横転しにくいはず)
I バンプストップラバーは補助ラバコンとして考えられた、第二のラバコンだ。(アレック イシゴニスは天才だから)
J 乗り心地の悪いミニは宿命である。(タイヤも車体も小さいから)
上記のように世の中にはいろいろな噂と迷信があり、どれもこれも何処かで、何らかの勘違いと思い込みの連続でして、サーキットで本物のレーシングカーを見たら、「あの車高が正しい高さに違いない」「フロントタイヤの八の字も、どうせ調整してもらうなら目いっぱいでも同額、得したかも」と言った所ではないでしょうか。
ミニは確かにラバコン(通称)と言うサスペンションシステムを採用しており、この部分だけが特殊といわれる所ですが、それ以外はまったく当たり前のフロントはダブルウィッシュボーン、リヤはラジアスアームの4輪独立と言うサスペンションなのです。
さて、まずは(J)の乗り心地の件ですが、新品のラバコンでそれ程、悪くないはずなのですが、太く重いアルミホイルとタイヤが原因の場合もあります。
いちど全てがスタンダードのミニと乗り比べられると良く解かると思います。
そして、一度も交換されていないなら、フロントのラバコンは確実に限界に来ていると信じてください。交換とそしてリアラバコンを若干ソフトにして貰うと、数段乗り心地が良くなるでしょう。
何故かと申しますと、
(1) エアコン重量とミニの総重量の関係 (A/Tはもっと問題、ここ20年で約100kgの重量増)
(2) 前が下がり気味の為、リヤが軽めになる。(リヤがハネル、突き上げ感が多い)
(3) ストップ&ゴーの多い日本では、ヘタリも早い。(特にフロント側)
(4) 太いタイヤを選択している方が多い。(アルミホイルも見た目だけで重いタイプは特にダメ)
(5) 段差、道路のデコボコが、日本は英国より相当悪い。(有料道路の割にダメ)
と言ったような事で、フロントのラバコンのヘタリは相当早い訳です。
フロントラバコンの目安となる寿命は明確にはありませんが、5〜8万Km前後、6〜7年位なのでは、と言えるでしょう。
又、ラバコン以外の選択では、金属スプリングとなりますが、これも相変わらずダメな商品が出回っており、どこのものが耐久性と乗り心地を両立させているかを正確にはお知らせできません。何故なら、それ程の長期間、全スプリングを同時にはテストできないからです。
弊社が販売しているテーパータイプのコイルスプリングは相当数(たぶん日本では最多)の販売実績を持っておりますが、クレームは全くありません。特にオートマチックミニ用、インジェクションマニュアル用と、そして走り方に合わせた色々な組み合わせタイプがラインナップされている為に、オーナーの用途に対応できるからではないかと考えられます。
耐久性に関しては、自信を持って、このテーパータイプスプリングが日本で一番だと思います。その理由もどこかでご説明致します。
同じスプリングタイプでもコイルオーバー型のサスペンション形式もあり、こちらは、三和ミニ1000改でも使用しておりますが、あまり一般的ではないので後々ご説明させて頂きます。
それでは次回はラバコン+アジャスタブルショックそしてコーナーリングスピードの向上を目指しているミニ1000オーナーにどの選択が、日本の峠、首都高速そして筑波サーキットでは有利かをお知らせします。又、何がマチガイで何が正解であるかも簡単にご説明致します。 |