キャスター調整が可能となるテンションロッドを数種類ご紹介致します。
キャスター角は直進性を保つ働きに影響し、ハンドルから手を放した時にセンターに戻る復元性として皆さんは体感していると思います。
ミニでは車高変化(下げる)に合わせてキャスターは立ち気味になり、操舵がシビアになります。そこで適正値へ修正またはターゲットとする性能を引き出すためには調整式テンションロッドが活躍します。
前節No42の説明にあったとおり、純正の長さのままでは突っ張る方向で働くため、短くしていく方向で調整する必要があります。これも各メーカーで様々な工夫がなされています。
A:片側を逆ネジとすることで素早く調整可かつロッド強度有(38号車使用中)
B:ロッドを新造して強度を上げた上に装着状態でも調整可
C:純正に近似した作り。ロッド強度は純正並み。
D:ロッドの強度を上げたピロボールタイプ(83号車使用中)
E:ロッド強度は純正並のピロボールタイプ。
F:純正ロッドにネジ切り加工して装着するアジャスター部
G:海外ではロッドの中央を『への字』に曲げて若干短くする方法もあります(画像無し)
サブフレーム側マウント面とテンションロッドは、ブッシュが潰れたり、タワんだりしないよう締め付け固定され、余計な力をブッシュに加えない事でロッドがスムーズに可動します。硬度の高いブッシュほど締め付けによる潰れは少なく、ブッシュ本来の性能を発揮します。しかし前後方向の動きが無くなる分、ノイズやバイブレーションもダイレクトに伝導されます。柔らかなブッシュを強引に締め上げる事で動きを渋くして乗り味を変化させる事はお止めになったほうが良いでしょう。経年劣化を早め、切れたブッシュが脱落した車を多く見聞きます。
乗り心地や寿命など考慮してお好みのブッシュ(硬 1 > 2 > 3 > 4 軟)をお選び下さい。
1)TRK31G1155
2)HT31G1155R
3)PFF63-103
4)HD31G1155 |
|
全くブッシュを使用しない純レース用ピロボールタイプは、車体の角度変化にダイレクトに追随するよう作製されています。ロッドの前後方向への動きを極力減らし、ダイレクト感だけでなくスムーズな可動を実現します。しかしクリーニングやグリスアップ等を怠ると早々に錆びを誘発し、余計に動きが悪くなるなど日常使用に気を使う事が多くなります。ピロボールは硬いブッシュ以上に振動が多く、力の入力がダイレクトに伝わることでボディー各部への悪影響も多く、公道での通常利用にはお奨めできません。 |