50年近くも前に開発された“ミニ”が850ccから1275ccの何タイプかのエンジンで全てが基本的には同一デザインのまま現在でも走り続けている事も驚きますが、50年もの間にオートマチック・エアコン・ディスクブレーキ・12インチタイヤ・インジェクション・etcと多くの改造、改良が加えられましたが、それでも「Aタイプエンジン」は5ポート・スリーベアリング・OHV・4段ギアボックス等、全て昔のままです。
買った時からミニはクラシックカーとしての存在となり〔不便・小さい・遅い〕と短所の多い車ですが、日本にはそれを理解して乗り続ける方が多いのはなぜなのでしょうか?
日本の軽自動車では不便は全く無く、室内は充分な広さで、加速感は(信号グランプリなら)充分速く、故障は(クーラントとオイルの交換だけで10万kmは走れる)殆んど無いに等しいのではと思われている軽自動車は、その通り断トツの販売台数を記録中と言われており、売れるのが当たり前のコストパフォーマンスの乗り物である事は確実です。しかし、ミニユーザーは軽自動車には無い何かを理解しながら、乗り続けられているのではと思います。それはまさに“ミニ”に対する歴史なのか、個人ユーザーとミニの歴史なのか、それぞれ異なりますが歴史を積み重ねる事に意味のある車、“ミニ”といくら乗っても、ただの中古車になっていくだけの軽自動車とでは大幅に異なる感覚なのでしょう。
SCCJインタークラブミニカップには本物のMK−1クーパーSでレースに参加されている方も数名おり、レースに出場されるたびに完成度が上昇していく様子で、これもレースミニとユーザーの歴史の積み重ねなのでしょう。
ご存知の通りミニは、来年50周年を迎えます。前述した通り、これほど長い間基本構造やボディデザインが変わらない車も珍しいのではないでしょうか。エンジンは非常にシンプルな構造ゆえに壊れにくく、ボディは50年前に造られたとは思えない程に高い剛性を誇ります。ノーマルのままでも充分楽しい車ですが、パーツの充実度が他の車種とは比べものにならない程、多数ラインナップされて、“いじる楽しさ”を盛り立ててくれます。
時には癒され、時にはやる気にさせる、この小さなボディからみなぎる大きな存在感。現代車では決して味わえないミニワールドを、あなたも再度感じて見ては如何でしょうか。
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