前回エアーファンネルの測定数値をお知らせしましたが、SUでもウェーバーでも、全てファンネルを付けないで直接エアークリーナーを取り付けてしまう方もいるようですが、特にチューニングエンジンでは確実にそれは間違いです。
SU1/4シングルキャブレターの古いタイプのミニ1,000ccなどは、エアークリーナーを取り外してしまうと、上手く発進できなくなってしまう程で、これもエアーの流れ方と乱れによるトルク不足のような症状で、何もキャブレターに付けない方が空気の抵抗が少なくて良いと思っていた方は、考え方を変えてください。
限られた予算の中で、どれだけ出力アップを計れるか?また、気持ち良く出力アップを計るにはどうしたら良いか?故障しないチューニングとは何か?今度はエキゾースト(排気系)の説明にいくわけですが、これらの何点かも含めて解り易く簡単にいきましょう。
通称“タコ足”(LCB)と呼ばれるチューニング部品を使用するわけですが、これにも英国ジャンスピード(大阪神戸のジャンスピードではありません。)とマニフローの二社の商品が一般的で、品物としてはどちらも大差は無く、性能的にもほぼ同一と考えられております。
ただし、1,000ccと1,300cc用があり、ストリートミニ1,000であるならば必ず1,000cc用を使用してください。その理由は、トルク不足になるからです。値段に大差が無いからと言って1,300cc用を利用されても全くメリットはありません。3in1等の純レース用タコ足などは全くの無駄で、絶対ダメです。
70年代初期のミニ1,000はキャタライザー(触媒)が付いていないために、ここでは触媒付きのミニ1,000は後にして、エキゾースト全体の説明をいたします。
タコ足からストレートパイプを使い、テールボックス(タイコ)を選択する際、よく勘違いされている方が多いのは、音量が大きいほど効率が良く、逆に小さいほど効率が悪いと信じている様ですが、この考えは100点満点の内の25点と言った所です。
それではタコ足からすぐそのままエキゾーストガスを開放して、後ろに何も付けないのが最も効率の良いマフラーと言う事に成るわけですが、これでは音量の問題以前に、車は全くトルク不足の様な事になってしまい使い物になりません。
音量の大きいテールボックス(タイコ)を製作するのは非常に簡単で、ミニ市場の中にも多数出回っております。これらの使い方を間違えると、時々街中で目にしますが、「音ばかり」のトロトロ走る車になってしまい、エキゾーストの間違った選択をしてしまった例としては、まさにトルクの低下が発進の際の加速を鈍くさせてしまうのです。
V8で7,000ccの旧き良き時代、「アメリカングラフィティ」の様な車であれば、パイプだけのエキゾーストでもトルク不足にはなりませんが、2,000cc以下の国産車ではまるで異なります。これはミニ1,000にも同一の事が言えるのです。
良いエキゾーストノートとは無音に近く、効率が良い(最小限の抵抗)システムの事であり、この矛盾をどう折り合わせるかです。
次回は、タコ足(LCB)と中間パイプとテールボックス(タイコ)の組み合わせ方をお知らせいたします。 |